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腰痛を「腰の問題」で終わらせない|切り分ける7つの視点|BAL STUDIO

2026/09/10

こんにちは、BALのミナミです

セッションが始まる前、着替えながらクライアントが言います。

「最近、なんか腰が痛くて」

病院には行った。レントゲンも撮った。でも「特に異常はないですね」と言われて帰ってきた。
本人は痛いと言っている。今日もこれからセッションがある。

さて、どうしますか。

その場で、何を考えているか

多くの場合、頭に浮かぶのはこのあたりだと思います。

- 腰が痛いのだから、腰まわりをほぐしておこう
- 体幹が弱いから痛くなる。だから体幹トレーニングを入れよう
- 反り腰だからだ。前ももとお尻をストレッチしよう

どれも、間違いではありません。実際にそれで軽くなることもあります。

ただ、正直なところ「これで合っているのか分からないまま、とりあえずやっている」
という感覚は、ないでしょうか。

そして次の週、「あんまり変わらないです」と言われる。
また別のことを試す。それでも変わらない。
だんだん、腰の話題を自分から振らなくなる。

この状態の正体は、知識が足りないことではありません。
「腰が痛い」をひとかたまりのまま扱っていることです。

「腰が痛い」は、ひとつの症状ではない


同じ「腰が痛い」でも、背景が違えば、やるべきことは変わります。
場合によっては、正反対のことをしてしまいます。

急性期に動かすべきでないものを動かしてしまう。
原因が腰にないのに、腰だけを触り続ける。
そもそも運動指導の範囲を超えているものを、運動で解決しようとする。

「効かなかった」で終わればまだ良い方で、悪化させてしまうこともあります。

だから最初にやることは、アプローチを選ぶことではなく、分けることです。

現場で考える順番


ゼロ番目:これは、自分が扱っていいものか

いちばん最初に置くべきはここです。

腰椎分離症、腰椎すべり症、腰部脊柱管狭窄症。
名前は聞いたことがあっても、それぞれがどういう状態で、
何をすると悪化する可能性があるのかまで、説明できるでしょうか。

ここで大事なのは、診断はトレーナーの仕事ではないということです。
私たちがやるのは、病名を当てることではありません。

やるべきなのは、「これは自分の範囲ではないかもしれない」と気付けること。
そして必要なら、ためらわずに医療につなぐことです。

そのためには、医療と会話できるだけの言葉が要ります。
「なんとなく怖いから病院へ」ではなく、何が引っかかったのかを説明できる状態です。
BAL STUDIOに「MEDICAL FITNESS」という講座があるのは、この領域のためです。

 1. 急性か、慢性か

次の分かれ道はここです。

ぎっくり腰のように急に来たものと、何ヶ月も続いているものでは、
考えることも、してはいけないことも違います。

STUDIOでも「ギックリ腰に対してアプローチと3つのポイント」と、
慢性腰痛を扱う内容は、別の講座になっています。

2. 腰そのものか、腰以外か

痛みが出ている場所と、原因がある場所は、同じとは限りません。

急性の腰痛が、臀部へのアプローチで変わることがあります。
股関節や足部の問題が、運動連鎖として腰に出ていることもあります。

STUDIOには「急性腰痛に対する臀部からのアプローチ」という講座があり、
「ANATOMY CONDITIONING(下肢編)」では、運動連鎖から
腰・股関節・膝・足部の原因を特定する見方を扱っています。

腰だけを見ている限り、この可能性には気付けません。

3. どの組織が関与しているのか

「腰の筋肉をほぐす」と言うとき、どこを指しているでしょうか。

多裂筋、腰方形筋、脊柱起立筋、腹斜筋。
STUDIOでは、これらがそれぞれ別の講座になっています。

- 多裂筋と腰痛の関係
- 腰方形筋の解剖学
- 腰痛クライアントのための脊柱起立筋エクササイズ
- 腹斜筋を用いた腰痛へのアプローチ

別々の講座になっているということは、
見るべきポイントも、やることも違うということです。

「腰をほぐす」という一言の中に、本当は4つ以上の選択肢があります。

筋以外の可能性もあります。椎間関節から来ているケースは、
筋へのアプローチとは評価も対応も変わるので、
「椎間関節性腰痛の評価とアプローチ」という独立した講座になっています。

4. 見た目は、原因を教えてくれない

ここがいちばん分かりやすい例かもしれません。

STUDIOの「反り腰の原因とアプローチ」は、1本ではなく3本あります。

- 反り腰の原因とアプローチ(腹腔内圧)
- 反り腰の原因とアプローチ(胸郭)
- 反り腰の原因とアプローチ(骨盤)

見た目はどれも同じ「反り腰」です。
でも、腹腔内圧が抜けて反っているのか、胸郭の問題が下に出ているのか、
骨盤そのものの問題なのかで、やることは変わります。

「反り腰だからストレッチ」で片付けていた場合、
3分の1しか当たっていない可能性があるということです。

姿勢の見た目は、原因ではなく結果です。

5. 運動器の問題ではない可能性

慢性的な腰の重さや張りが、内臓由来であることもあります。

横隔膜の動き、内臓の位置や可動性、ファシアを介したつながり。
「内臓調整学」では、慢性腰痛や呼吸の浅さ、股関節の詰まりを
運動器だけでは見えにくい問題として扱っています。

腰方形筋と腎臓の位置関係を知っていれば、
「なぜここに出るのか」の見え方が変わります。

では、どうやって絞り込むのか


ここまで読んで、こう思われたはずです。

「軸が分かれているのは理解した。でも、目の前の人がどれなのかは、どう判断するのか」

その手段のひとつが、疼痛減弱テストです。

ある操作を加えたときに痛みが減るかどうかで、原因を絞り込んでいく考え方で、
STUDIOでは「疼痛減弱テストから考える腰痛」として、
触診の基礎編と評価実践編に分けて扱っています。

前提になるのは触診の精度です。
つまり、ここで解剖学と評価が現場につながります。

「解剖学って現場で何の役に立つんだ」と思ったことがある方は、
まさにここがその答えのひとつです。

さらに「動作による腰痛のタイプ分けと関連筋への処置」のように、
タイプ分けそのものを扱う内容もあります。

 結局、学ぶべきなのはどこか


腰痛ひとつに対して、必要な学びはこれだけの領域にまたがります。

- 解剖学 — 腰椎、骨盤、仙腸関節、多裂筋、腰方形筋
- 評価 — 疼痛減弱テスト、触診
- コンディショニング — 臀部、腹斜筋、腹腔内圧
- 運動連鎖— 股関節、足部から腰への影響
- 内臓 — 横隔膜、ファシア連結
- 医学 — 医療につなぐべきものを見極める言葉

ここで多くの人が止まります。「こんなに学ばないといけないのか」と。

順番に全部やる必要はありません。

必要になる知識は、いつも目の前で困っている1件の側から出てきます。

今週みているクライアントが反り腰なら、そこから入ればいい。
急性で来たなら、急性のところから入ればいい。
病院で異常なしと言われた人が続いているなら、医療との線引きから入ればいい。

体系的に全部を学ぼうとして止まってしまうより、
目の前の1件から辿る方が、結果的に早く身につきます。

 現場で困っていることから、必要な学びを探せます


BAL STUDIOのSearchは、動画がたくさん置いてある場所ではありません。

今困っていることを入れると、そこから必要な学びに辿り着ける場所です。

「腰痛」と入れれば、この記事で挙げた軸がそのまま出てきます。
「腰方形筋」でも「疼痛減弱テスト」でも「反り腰」でも構いません。

自分が今、どの軸を持っていないのか。
それが分かるだけでも、次に学ぶものは決まります。

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